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 ★くすりについて

   くすりの歴史

くすりの歴史は、人類の歴史と同じくらい古く、草の根や木の皮、動物や鉱物などの自然界にあるもので、病気や傷などの治療に役立つものを、経験をもとに使用したのが始まりです。
日本では1万数千年前の縄文人の居住あとから、薬に使ったと思われる植物が発見されています。
また、日本の最古の歴史書「古事記」には、薬にまつわる話が記されています。中でも有名なのは、「因幡の白ウサギ」です。

昔々、隠岐の島という小さな島に1匹の白ウサギがいました。白ウサギは、海の向こうに見える因幡の国へ行きたいと思いましたが、隠岐の島と因幡の国の間の海は自力では渡れませんでした。

そこで白ウサギは、海のサメに「サメさん、白ウサギとサメのどっちが多いか比べみようよ」と言い、サメを因幡の国まで並べさせました。白ウサギは「サメさんたちの上を、ぼくが数えながら行くよ」と言い、サメの上をピョンピョンと渡っていきます。

もう少しで向こう岸に着くというとき、白ウサギは、つい「向こう岸に行きたかっただけなのさ」と言ってしまいました。それを聞いたサメは怒り、白ウサギの皮をはいでしまいました。

「痛い、痛い」と泣いている白ウサギに、通りかかった神様たちが、面白半分に「海の水で体を洗って、太陽と風に当たっていれば治る」と言いました。白ウサギが言われたとおりにすると、もっともっと痛くなってしまいました。

「痛い、痛い」と泣き叫ぶ白ウサギの前に、さっきの意地悪な神様たちの荷物を担がされた神様が通りかかり、「真水で体を洗ってから、がまの穂の上に転がりなさい」と言いました。白ウサギがその通りにすると痛みも消えて、やがて元通りになりました。

やさしい神様は、大国主命(オオクニヌシノミコト)と呼ばれ、人々に尊敬されました。

現在では、植物・動物・鉱物などに含まれる有効成分を抽出し、化学的に変化を加えたり、同じ成分を化学合成したりすることで多くのくすりがつくられています。
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